WHY A QUADRILLE ?
バンブーロッドの材料となるトンキン・ケーンの素材特性として、表皮に近い側のほうに、ロッドのビルディングに必要となる反発力の強い繊維(「パワー・ファイバー」と呼ばれます)が多く詰まっています。 図(1)(2)はそのトンキン・ケーンの断面図とスプリットの例ですが、ご覧のように六角のロッドをビルディングするための正三角形と、四角のロッドをビルディングするための直角二等辺三角形ではその繊維の取り方が大きく異なります。 直角二等辺三角形の場合、特に素材の厚みを必要としロッド全体のトルクに大きな影響を与えるバット部において、より多くのパワーファイバーを利用することが可能なのです。 また、四角ロッドの構造は、力学上の見地からも合理的なものであるとの研究結果もあります。 他の形状のロッドと比べて、断面積を同じと仮定した場合に、「反発力」及び「曲げ破壊に対する強度」が非常に優れている、というものです。 図(3)に示されるように、四角のロッドにおいては、その断面すべてがロッドの曲がりに対しての反発に寄与する構造になっていることから、力学的に「全く無駄がない」ロッド」、それが四角のロッドなのです。 これらのことから、「同じ反発力と同じ長さであれば四角のロッドの方が細い、すなわち軽い」 ということと、「同じ反発力と同じ太さであれば四角のロッドの方が長い」 さらには、「同じ長さと同じ太さであれば四角のロッドの方が反発力が強い」 ということが言えるでしょう。 Sir Edward’s “Quadrille”は、この3点それぞれの長所を活かしたラインナップで、フィッシングの様々なシーンで要求される「真に使い心地の良い、道具としてのバンブーロッド」を提案しています。 その四角ロッドの開発に際して、Sir Edward’s “Quadrille”は、接着剤などの材質からの見直しも図り、度重なるテストの結果「硬化後のフレキシビリティ(曲がりに対する柔軟性)が良好」なバーニッシュ及び接着剤などを採用しています。 また、素材そのものの熱処理についても、マイクロコンピューター制御の 3m以上もある大型オーブンによるプログラム焼き入れ作業等々、より高いレベルでの品質の均一性を重視したロッドを創造することに努力を惜しまず製作しています。