第11章 機能=デザイン The Art of Technologies |
物理構造を変え振動伝達力を高めたアクションロッドシリーズは、先進的な振動共振システムとノスタルジックなデザインが特徴的であるが、グリップ素材に一切のプラスチック樹脂を使用せずジュラルミン・ブラスのみを使用する事で高い耐久性と商品のロングサイクル化を実現させた。 結果、保証期間終了後に折れたロッドでも永久的に修理保証される事になり、10年・20年後にロッドが折れた場合でもブランク金額の負担のみで完全に元通り、又はそれに代わるブランンクをリビルドする事が出来る。 これは耐久性の高い素材を選んだだけでなく素材の利点を活かした構造とした事でアッセンブリーとリビルドを繰り返し行う事が出来るというブランクスルーロッドでは画期的なものである。 加えて生素材のまま加工されているジュラルミンやブラス素材は、使用者が金属研磨剤等を使い簡単にメンテナンスする事が出来るので経年劣化と新品の二つの楽しみを半永久的に味わう事が出来る。 デザイン面では各アイテムの統一感を損なわずグリップにブランク特性と個性を反映させた結果、GUN・FISH・POCKET・COMPETITORとシリーズ分けをした。これは後に対象魚に合わせたロッドの種類や機種が増えても統一性を失わずにカテゴライズさせる為で、バス・トラウト・シーバス・等の区別無く全てのゲームフィッシュに対応出来るようにしている。
ここで、4シリーズの大きな特徴を説明すると、GUNシリーズの WOOD素材には天然チークオイルをたっぷりと染み込ませ、しっとりした握り心地と質感を演出。 WOODグリップの持つ適度な重量感と、軽量ブランクは抜群のコントロール性とキャスト性能を生み出し、撃ち続けても疲労感の全く無い絶妙のバランス設計となった。さらにリールシートがグリップエンドに近くなる事で通常のロッドよりもシャフト長(リールとトップガイド間の全長)が長くなり、遠投性も高く大物とのやり取りには操作性に優れたロッドワークで楽しさも倍増するロッドである。FISHシリーズには細身で握りやすいFISHテールデザインのコルクとバランサーを兼ねたオーバル曲線を強調したエンドキャップが特徴的。 粘りのある厚巻中弾性カーボンブランクは魚の乗りとキャスト性を重視。対象魚を問わずオールマイティーに使えるロッドとして最も使いやすいシリーズとした。POCKETシリーズは岸つりや小型ボートで使う遊べるロッドとして、従来品に存在しなかった長さのブランクを調達し、極限まで短くしたデザインと設計。 ショートロッドにより正確なプレゼンテーションとダイレクト感は直接魚とやり取りする楽しさが味わえるロッドで、渓流のトラウトにも活躍する。COMPETIOTRシリーズには余分な塗装を排除し感度追及のみを行なった。 金属的なハイモジュラスブランクとNEWガイド設定により、どのロッドよりも高感度を実感できる。ホールド感の強い弾丸ヘッドと手を添え易く設計されたスピニングヘッドはとらえた当たりを逃さない設計。 こうして完全に機能デザインによってカテゴライズされたアクションロッドは、釣り方やスタイルをも提案した形とする事で、機能ばかりでなく使用する楽しさや使いこなす満足感をも満たすロッドとして追求した。 カスタマイズとは?愛用品を永く使っていると使用範囲の移り変わりや、好みの変化などで途中で改造したくなる事も多いものだ。最も手軽で簡単に出来る改造としてはグリップの長さと形状変更である。しかし、グリップの長さが変わるとロッド全長も変わるので、使い勝手はかなり変わると言える。当然人間の身長差や腕の長さによっても変わるだろうし、好みも人によってバラバラだ。そんな時に基準となる自分のロッドグリップの長さが解れば便利である。 アクションロッドは、個人・SHOPなどによるカスタム化を考慮してロッド緒元となるグリップ長を品番に明記しているので、改造する場合の指標を作りやすい。 例えば、A/CP 210 XX 664では、CPシリーズ・210mmコルク・全長6フィート6インチ・ミディアムヘビーパワーという情報だが、このロッドに 290mmのコルクを付けると 80mm UP( 約3インチ)の全長6フィート9インチとなる事が簡単に計算出来る。 逆に、210グリップを170mm に改造すると、40mm 短いロッドとなり、2インチ程ロッド全長はショート化するので、6’4″となる。 永く使い続ける事を前提に考え出されたこの新しいロッドの表示規格は、グリップ仕様を自分流にカスタム化する上で大いに役立つのである。 このように発展性を持たせた品番表示により自分だけのカスタムチューンを行い、末永く楽しみを味わって頂く事で究極のロングサイクル商品となっているのです。 ベースとなるアクションロッドの基準は4カテゴリー22種類。そこから自分に合わせてカスタマイズする事で組み合わせは無限に広がります。 画期的構造により発明された ACTIONRODの開発はまだ始まったばかりです。今後、チタン素材が汎用性を高め完全に工業製品化された時にはフルチタングリップのアクションロッドが出来るかも知れない。 そんな期待を膨らませながら、これからもVAGABONDは開発を続けて行きます。