実用性とデザイン性を兼ね備え、長く愛用できる物づくりが試されていたあの時代の開発魂を忘れてはいないだろうか?
1800年代後半、バスフィッシングが始まった。以来、ヨーロッパから渡って来たトラウトルアー&フライフィッシングは、木片から削られたルアーによりバスフィッシングとしてアメリカで誕生した。当時はBAMBOO素材のロッドに糸巻き機のようなリールにオイルを染み込ませたシルクライン。飛距離を出す為だけに実用性を重視して作られたルアーは重く大きかった。1930年代~1950年代、鉄鋼産業の発展と共に開発者や技術者達はその類稀なる感性と大いなる開発精神から多くの特許技術や工法を発明し、糸巻き機は良く飛ぶダイレクトリールへ、BAMBOOロッドは粘り強く折れないスチールロッドへと変わり、ロッドグリップはオフセット型が考案され、現在のバスフィッシングの原型が創られていった。その後、素材の進化により強くて折れないソリッドグラスロッドが誕生し、それが一般に広く定着してくると、商業製品として進化し始め、1960年代~1970年代には大量生産により均一化されていったのだ。それは、加工が容易な素材が最優先され始めた事により、手間のかかる加工技術を忘れてしまった事に他ならない。しかし、その過程において何か忘れられていったものは無いだろうか?遊びを創出する道具と呼ばれるベストクオリティとは、何なのだろうか?何十年経過しても劣化せずにその価値が衰えないロッド、そんなロッドを創り出す事が出来ないのだろうか?
1930年代~1950年代の魂を受け継ぎ、そこに現代の技術を融合させた本当に永く愛用出来るベストタックルとは?
VAGABONDは大いなる開発者精神と魂を奮い立たせ、その可能性に挑戦し始めた。2000年代初頭・・・時代は大量生産品時代を突き進み、各メーカーの出すロッドのほぼ全てがブランクからグリップまでOEM供給によるアッセンブリーパーツで構成され、メーカーの個性が完全に失われていた。 消費者は新製品と名の付くマイナーチェンジに迷い、怒涛の如く溢れる量産流通マーケットの中で、その価値すら見出す事が出来なくなっていた。一方、1950年代を追求しMILLION FISH GRIPとサーフェイスグラスロッドを既に発売していたVAGABONDでは、新たなニュームーブメントを巻き起こす総大成として、遊びと競技志向を共有させる次世代ロッド・超軽量高感度をコンセプトにロッド開発を進めていた。・・・そして、ついに一つの答えが出た
それはまさに実用性とデザイン性を兼ね備え、長く愛用する事が出来るロッド